ほはばブログ

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50代からの女性の暮らし方、働き方、学び方

【読了】運とか風水とかにドはまりしちゃう人にぜひ読んで欲しい、川上未映子の「黄色い家」※ネタバレあり

3月もあと1週間。やらなきゃならないことはたくさんあるのに、優先度ランキングをすっ飛ばして部屋の家具の配置換えをしてしまいました。娘が家にいるときに使っていた部屋を私の仕事部屋として利用しています。配置換え、といっても机が東を向いていたが北向きに変えただけ。気分を変えたかったのと、オンラインでの講座に対応して背面を白い壁にしたかったのです。90度角度が変わった風景は新鮮で、仕事も勉強も捗るような気分になります。気分上々のまま、またしても本日の優先度ランキング下位だったブログ更新、という作業を始めているのが現在の状況です。

買ったまま読めなかった、本を3日で読了しました。昨夜読み終えたばかりの感想と考察をブログにします。

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主人公の花はホステスをしている母と貧乏暮らし。ある時、母親が失踪し、母の知り合いの黄美子さんが家にやってきて2人の生活が始まる。その暮らしは今までの当たり前を覆す、ささやかではあるが豊かで幸せな日々だったが、黄美子さんはある日忽然といなくなる。母親とのまた貧乏な暮らしが始まり、花は独立すべくアルバイトで必死にお金を貯めるも母親の恋人に盗まれる。やりきれない気持ちの中、黄美子さんに再会をする。家を出て、再び黄美子さんとの暮らしが始まる。花は黄美子さんの名前にもある「黄色」が運命の色だと信じ、黄美子さんと始めるスナックの名前を「れもん」と名付けたり、新しく借りる家に黄色のグッズをおいて「黄色コーナー」をつくる。幸せな日々は長くは続かず、花はお金に翻弄されていく。

 

後半はネタバレしませんが、もう壮絶な半生なのですよ、花は。純粋だけど性悪説で物事を見、思いのままに突っ走るタイプ。自分で言うのもなんですが、若干花の性格が自分と似たところがあると感じました。今回の部屋の模様替えも「運気があがったらいいな」とか少しは思いましたもん。まあ花ほどはお金に執着してないので、この本のタイトルでもある家を黄色のペンキで塗る狂気までは理解しがたいものがありました。風水で色とか方角とか気にはしますが、それだけでお金持ちになれるのなら、スピリチュアル関係の人が長者番付に並ぶはずです。占いとか風水で課金しちゃってる人、私の周りにはいませんが、本当にあなたはそれで幸せになれますか?と聞きたいです。中島みゆきも言っているではないですか「そのその船を漕いでゆけ、お前の手で漕いでゆけ」と。

黄色い家

黄色い家

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この本の中に、蘭と桃子という2人の友達が出てくるのですが、私はその2人と花との対比を楽しむのもおすすめの読み方です。他力本願で、困ったことを能動的に解決しようとしない二人は結局お金「しか」手にできませんでした。お金を得られたならそれでいいじゃない、と思った方、勿体ないです。人生損してます。中島みゆきも言っているではないですか「そのその船を漕いでゆけ、お前の手で漕いでゆけ」と。

あ、これ、さっき言いましたね。とにかく、ダークな世界の中でたくましく生きる花の生き方を見るために熱くページをめくってほしい本です。