散歩のために遮光カーテンを開けて無理矢理早起きしております。
写真のタイトル「筑波山と犬(朝5時半)」。
そして私が今日のブログで紹介したいのはこの本
少年と犬。
筑西のブックエースで買うとたまーにノンアル飲料を試供品でもらえます。
ちょっと嬉しい。
短編小説集ですが、これらはすべてつながっていて、最終小説の「少年と犬」に向かっています。
岩手釜石で被災し多聞は飼い主を失い一人旅(一匹旅)をする。
仙台、新潟、富山、滋賀、島根、熊本とそこで一時の飼い主と出会う。
多聞は利口な犬。それぞれの地で世話をしてくれた飼い主は様々な境遇の中で心に闇を抱えているが多聞と出会うことで彼らは人生の決断をしていく。それを見届けるように多聞は向かうべき場所へ進んでいく。
多聞が最後に行きつく熊本で、最後の飼い主と多聞に信じられないことが・・・!
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だめだ。これ以上になるとネタバレしてしまうので本のあらすじはこのくらいにして。
この本を読んで、号泣まではいかなかったけど激しく心をゆさぶられました。
こういうのを「エモい」っていうんでしょうね。(←やっと使えるようになった頃には流行語でなくなっている)。
エモいポイント1:犬を飼っているからこそわかる「言葉のない心の交流」
うちに犬がいるからかもしれませんが多聞の動きが手に取るように感じられ、人間に寄り添っている記述がもう「いい子ー!!!」と何度も読み返してしまいました。犬ってこちらが話しかけてくることを理解してくれるような眼をしていると感じられることがあるんですよ。
「人という愚かな種のために、神様だか仏様だかが遣わしてくれた生き物なのだ」
(p.234 老人と犬から引用)という言葉。ほんとそれ!と思いました。
エモいポイント2:人生は旅、人との出会いは奇跡
長旅をした多聞。それぞれの地で出会う人。意図していたわけでもないのに多聞に出会うことで人生が変わっていく。私たち人間も同じようなことを繰り返しながら人生という旅を続けているのかもしれません。心の中に闇を抱えた心優しき飼い主のおかげで多聞もラストでミラクルな出来事に出会うことができたのです。
出会えた人を大切にしようと改めて思いました。そしてそれと同時に出会う人によい影響を与えられる人でいたいと思いました。
エモいポイント3:直木賞だけど、本屋大賞もアリかも!ってくらいの読みやすさ
馳 星周さんの小説は初めて読みましたがとても読みやすいです。そして馳さん自身が犬を飼っているな、ということがすぐ分かりました。人の描写はとても繊細なのに、多聞が怪我をした記述などはグロテスクには書かれていないのです。
できたら中高生とかにも読んで欲しいなあと思いました。
余談ですが昨年オススメしたのはこちらの本。今年は読書感想文を夏休みの宿題にしている学校が少ないそうです。
連日暑いですが、こちら筑西では夜になると外から涼しい風が吹いてきます。寝る前の読書タイムは至福の時間。
読書の秋を前に、超オススメの本の紹介でした!