この本に出会ったのは夏の大洗海岸。
ゆたりブログからの友人でライター(作文家)の山辺さんからオススメされた海の図書館で読みました。
山辺さんのHP↓
しかし日没がきてしまい読了できず。そのうち買って読もうと山辺さんに話したらなんと山辺さんも別日にこの本をここで読んでいたことが判明。この本が映画化されるということを教えてもらいました。
主人公は子育て中の女性、キム・ジヨン。
優秀であるにもかかわらず、男性ばかりが優遇される社会。嫁としてこうあるべき、お母さんとしてこうあるべきという縛りのストレスの中、キム・ジヨンの中に別人格が出現し始める。心配した夫は精神科受診をすすめるも自分はおかしくない!と信じている。
夫の実家に帰っても、義理の母や姉のために働き自分の実家でゆっくりすることもできない。実家の父は具合の悪いジヨンにではなく、ジヨンの弟に漢方薬を買ってくるなどあからさまな男尊女卑。
夫は優しいけれど、働きたいというジヨンの気持ちに寄り添っていない(ジヨンは大学卒業後、広告代理店で働くキャリアウーマン。しかし、そこでも仕事のできるジヨンよりも男性の方が出世が早い)。
元上司が起業し夫が育児休業をとることで仕事復帰しようとするも義母に知られそれも叶わない。
転機は実母の共感。母も母なりに苦しい思いをしてきたのだ。
やがてジヨンは自分に別人格があることを知り、精神科の門をたたく。
そして、小さいけれど力強い一歩を踏み出す。
・・・・・
映画と原作は少し違うようです(読了していないのでどこが違うのか分からない)。
女性なら多かれ少なかれ感じる不平等さ。
これって日本だけじゃないんですね。
以前観た台湾アニメ映画の過去記事
この本は日本でも女性の共感を得た本です。
この映画や本に激しく共感する女性はおそらくとても優秀か、自己効力感の高い人なんじゃないかと思います。
私は正直、「ま、こういうコトあるよね」と思ってしまいました。
女性ばかりが損な役回りであること、不平等であることに強い憤りはなかったのです。私の場合は、ですが女性だから免除されてきたことも多いし、優秀な男性と肩を並べて働くなんてこともなかったからかもしれません。
圧倒的に「これ、わかる!!」という女性が多いのは男女平等であることが当たり前の世の中だからです(だからといって不平等でいいとも思っていませんが)。
私の「こっちがダメなら、あっちへいこう」「これがダメならやめとこう」とすぐに諦めるのは一見執着がなくて努力が足りないよくないところではあるけれど、自分に能力がないという自負があるからこそ気楽に生きられていることを今更ながらに知りました。
子育てが損みたいな描かれ方をしていたのもちょっと違和感でした。そんなに子育てイヤ?損??
そう考えると日本の女性は苦しみながらも子育てしながら自分の働き方を模索している女性が多いと思いました。整理収納アドバイザーなどはそうした子育て経験などが大きく生かされる仕事ですし、会社に縛られず自由な働き方を選んでいる仲間もとても多いです。
好んでそうしている人もいるかもしれませんし、そうせざるを得ない人もいると思います。
どれだけ現状を受け入れ、納得するかで幸福感を感じる度合いは変わってきます。
女性にとって生きにくい世の中ではあるけれど、少しずつでも強くしなやかに世の中を変えていきたいものです。
もう少しで上映が終わってしまう映画館が多いと思いますが、「女に生まれて損したー」と思っている人にはオススメの映画。
私は時間ができたら読了して映画との違いを味わいたいです。