「今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
先々週、水戸で観てきた映画です。
幸福路のチー
映画「幸福路のチー」公式サイト » INTRODUCTION
幸福路とはチーの育った場所。台湾に実在する場所です。
常にお金のことばかり考えている母親、宝くじが大好きで工場勤務の父のもとで健やかに育つ主人公、チー。愛情あふれる家族の中で健やかに育っていきますが医者になることを切望されるも自分のやりたいことを貫くために文学を志し、渡米します。
やがてチーはアメリカで知り合った男性と結婚し子供を授かるが夫婦間の子供を持つ生き方への考え方の違いに悩みます。
そんな時に台湾からチーの祖母が亡くなったと連絡を受けて実家に帰ることに。
幼いころの思い出がよみがえり、自分の今までの人生を振り返ります。
これから自分はどうすればいいのか、迷い悩んでチーはある決断をします。
最初はジブリ映画の「おもひでぽろぽろ」みたいな感じかなと観始めたのですが、
台湾の抱える社会問題、歴史、大きな事件が描かれとてもではないですが、鑑賞後「ノスタルジックな映画だったわー」と笑顔になれませんでした。
人生に数々の分岐点があるように、歴史にも様々な分岐点があります。
台湾は日本に50年もの間支配され、戦後は中国に支配されてきた歴史があります。映画では台湾語から中国語へ教育が変わったり、民主化へ向かう中での学生運動なども描かれていて、チーのアイデンティテイはそうした時代の中でつくられていったともいえます。
チーの半生と台湾の歴史がリンクしていて最近の日本のアニメにはない重さを感じました。
台湾に里帰りしたチーは亡くなった「祖母」に再会します。
両親が老いていくこと、産まれ来る自分の子供のこと、自分のこれからの人生のこと。
聴いて欲しい悩みに、おばあちゃんは答えを出さなけれどチーに寄り添います。
おばあちゃんの存在って母娘とは違うけれどとてもいいものだなと思いました。
母親ほど近くないから、悪い面(自分にとってネガティブな面)を見ることもない。
よくおばあちゃんが「娘よりも孫の方がかわいい」と言いますが、それは直に育てる責任がないからだと思うのです。すこし引いた距離で見守る存在というのかな。
この映画が重くても重苦しくないのは、このおばあちゃんの存在がとても大きいです。
この映画を見たこと、そして今日が敬老の日であること、お墓参りをしてきた直後ということもあり、祖父母のことを思い出しています。
私の祖父母は父方も母方ももうすでにお墓の中です。
時々しか会う機会はなかったけれど、いつもニコニコしている印象しかないです。お小遣いをよくくれました。
私の娘と母の祖母孫関係はとても良好です。娘は母(娘にとってのおばあちゃん)は面白くて明るい「こんなおばあちゃんになりたい」存在のようです。娘は時々電話をしたり、母も娘の好きな果物を送ったりしています。いろいろ人生訓などを聞いたりしているようです。
私の父(子供たちのおじいちゃん)も私や妹には見せないキャラを子供たちに見せてくれます。特に息子のことはかわいがっています。
時々泊りにきて、自分の若き日の話などをしたり。
あぁ、こういうの私が20代のころに聞きたかったよーというエピソードばかり。
でもこういうのって、おじいちゃんと孫だからこそできる話なんだろうな。
今はコロナのこともあり、おじいちゃんおばあちゃんに会えない人も多いと思いますが、敬老の日ですので電話で話してみるのはいかがでしょう。
もしすでにお話できない場所にいる、もしくはいい思い出がない人は台湾アニメ映画「幸福路のチー」を観てください!上映は大きなところではあまりやっていないようなです。DVDでぜひ。
とくにおばあちゃんとチーのシーン。
優しい気持ちになること間違いなしです。