いただきもののお饅頭で脳に当分補給をしながら読了。
美味しい酒まんじゅうと共に読書。
娘が置いていった本。
娘が一人暮らしを始めて1年が過ぎました。
物理的にも精神的にも離れていくことに寂しさを感じる時期もありました。
加えて極度の心配性母ですからね。
昔「お父さんは心配性という」漫画を彷彿とさせます。
しかし、離れていても母親が楽しく笑顔で暮らすことが娘への思いやりだと思えるようになりました。
この本は娘が買って本棚に置いていったもの。
タイトルからしてずしんとくる1冊でした。湊かなえの小説の王道をいく展開で安心してドキドキできます。
皆さんに質問。
「母、私、娘 が火事の家の中にいます。
火事で一人しか助けられない状況の中で、自分の子供か、自分の母親のどちらかしか助けれられないとしたら、どうしますか」
普通の状況ではないということを差し引いても、まず自分の子供は助けたいと思う。
もう理屈なんてなくって「息を吸ったら吐く」くらい当たり前のことです(私はね)。
でもここでは私と違う。「母親になった『娘』=(ルミ子=私)」と母親の関係が強すぎて、母親を助けようとするのです。自分のことを大切に育ててくれた母親のことを。
しかし、母親に説得されて娘を助けます。でもそれは娘が大事だったからではありません。母親としての無償の愛ではなく、娘として母親に褒められたいという気持ちからなのです。
最終的にルミ子(母)と清佳(娘)の関係は、ルミ子の歪曲した母性(と呼べるかどうかも怪しい)により、最終的には祖母の焼死の真実を知ります。
冒頭の女子高生が家の中庭で倒れているという事件と本編が混乱してしまい、何度がよみかえしましたがこの女子高生と清佳は別人です。この事件に興味をもっているのが高校教師である清佳なのです(この女子高生のことは知らないけれど清佳の前任校の生徒だった)。
この本を残していった娘へ、今月も食料品をせっせと送ります。
これも理屈とかない行為なのです。