「おかあさん、『グーボ』って知ってる?」
ポケモン好きな息子のことだから、そっち系の話かと思いきや最近食べたローソンのレジ脇揚げ物のことでした。
「あげる」「もらう」
「教える」「教わる」
「行く」「来る」
などが時々混乱してしまう息子にいつも「そうじゃないでしょっ!!」とその都度きつく訂正していましたが、それが怖いのか私と話したがらなくなりました。
これはまずい!と思い、息子から話しかけてきたときは遮らずに聞くようにしています。
息子は私がお弁当を作れない日はコンビニでお昼を買って食べています。これはこれでまた楽しいらしく美味しかったものの話などをしてくれます。
一生懸命「グーボ」の説明をしてくれる息子に「おいしそうだね。食べてみたいな」と何気なく言ったら次の日、買ってきてくれました。
春巻きのような感じ?具が大きめで確かに美味しい!
3つくらい軽く食べられそうです。
息子は軽度の知的障害がありコミュニケーションにやや難ありで、相手の状況から自分がどうすればよいのか分からないことが多々あります。反応できないのです。
例えば花を見て「きれいだね」という雑談ができない。具合の悪い人に「大丈夫」と言えない。
心の中では「きれいな花だ」、「具合大丈夫かな」と思っているのかも知れないけれど状況に合わせた会話ができません。
高等特別支援学校在学中に就労実習でトラブルがあった時、思い切って空気をよむフリをするように「花を見たら『きれいだね』って言うんだよ」、「お友達が寝込んでいたら『大丈夫?』って言うんだよ」と機械的に教えました。
そうしないと円滑に人間関係をつくることができないと考えたからです。
ありのままのあなたでいて欲しいけれど、ありのままだと誤解されてしまうのです。
卒業後就職浪人を経て社会に出て、強制しなくても少しずつですが相手の状況を見て自分の気持ちを言えたり行動ができたりするようになってきました。
22歳の息子の(はたからみたら)ささやかな成長がとても幸せに感じられます。
「美味しそう」と私が言った言葉に反応してお土産を買ってきてくれて「嬉しい!ありがとう!!」とかぶりつこうとしたら、
「おかあさん、写真撮らなくていいの?」と言われました。
ああ、そうね。
せっかくだからブログで自慢しちゃいましょう。
いろんな味があるそうですよ。